GASでAESにより暗号化された文字列を復号するマクロを作成する

したいこと

・ スプレッドシートに、AESによって暗号化された文字列がある。それを復号化したい。
・ さらに、データがある列分繰り返し、ボタンポチっで実行したい。(おまけ)

マクロを新規作成する

ツールバー > 拡張機能 > Apps Script を選択し、GASの画面にいきます。

ライブラリを導入する

ライブラリの追加からスクリプトIDに、

1IEkpeS8hsMSVLRdCMprij996zG6ek9UvGwcCJao_hlDMlgbWWvJpONrs

を入力し、cCryptoGSを導入します。

このCryptoJS libraries for Google Apps Scriptは、暗号化・複合を手軽に行うためのラッパーです。

復号する関数

以下は引数の暗号化された文字列を、復号し、文字列で返す関数です。
AESなので、暗号化した際の秘密鍵が必要です。

参考 : AESとは?

  function decryptForAES(encryptedMessage) {
    const PASS_PHRASE = "ここに暗号化した時のパスプレーズを入れてください"

    var cipher = new cCryptoGS.Cipher(PASS_PHRASE, 'aes');
    return cipher.decrypt(encryptedMessage);
  }

今回は、関数内で指定していますが、本来は環境変数で指定した方が良いでしょう。

参考 : GASに環境変数を設定する方法

おまけ

以下は、F列に暗号化された文字列があるだけ、それを復号し、その横のG,H,I列に結果を表示するサンプルです。

function decryptDataAndWriteToColumns() {
  const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  const lastRow = sheet.getLastRow();
  if (lastRow === 0) return
  const dataRange = sheet.getRange(2, 6, lastRow, 1); // F列のデータを含む範囲
  const dataArray = dataRange.getValues();


  for (let i = 0; i < dataArray.length; i++) {
    const fValue = dataArray[i][0];
    if (fValue === "") continue
    const decryptedMessage = decryptForAES(fValue)
    const [ipv4Adress, userId, createdAt] = decryptedMessage.split(',');

    sheet.getRange(i + 1, 7).setValue(ipv4Adress);
    sheet.getRange(i + 1, 8).setValue(userId);
    sheet.getRange(i + 1, 9).setValue(createdAt);
  }

  function decryptForAES(encryptedMessage) {
    const  PASS_PHRASE = "XXXXXX"

    var cipher = new cCryptoGS.Cipher(PASS_PHRASE, 'aes');
    return cipher.decrypt(encryptedMessage);
  }

}

このサンプルでは、ipAdress,userId,createAtを暗号化した文字列だと仮定しています。
ですので、暗号元のデータ形式に合わせて、

const [ipv4Adress, userId, createdAt] = decryptedMessage.split(',');

のあたりを調節したり、
このサンプルはF列のものなので、そこら辺もケースに合わせて調節してください。