GASを使ってChatGPTで返信するSlackBotの作り方(前編)

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この記事は、【 可茂IT塾 Advent Calendar 2023 】の9日目の記事です。

2回に分けてGoogleAppsScript(GAS)を使ってChatGPTで返信するSlackBotを作ってみます。今回はSlackのメッセージにbotがおうむ返しするところまで解説します。

GASの作成

https://script.google.com/home

で「新しいプロジェクト」を作成し、以下のようなコードを記述します。

function doPost(e) {
  // Events APIからのPOSTを取得
  // 参考→https://api.slack.com/events-api
  const json = JSON.parse(e.postData.getDataAsString());
  
  // Events APIを使用する初回、URL Verificationのための記述
  if (json.type == "url_verification") {
    return ContentService.createTextOutput(json.challenge);
  }
}

GASのデプロイ

新しいデプロイからウェブアプリを選択して、アクセスできるユーザーを「全員」にしてデプロイします。

デプロイ後に表示されるウェブアプリのURLをコピーしておきます。

SlackAppの作成とGASとの連携

https://api.slack.com/apps

にアクセス新規のアプリを作成します。

SlackAppの「Event Subscriptions」に移動して「Enable Events」をOnにし、「Request URL」に上記URLをコピーすると認証が完了します。

「Subscribe to bot events」に message.channels のイベントを追加し、SlackAppをSlackにインストールします。

#testチャンネルを作成してチャンネルにアプリを追加します。

その後、#testチャンネルでメッセージを送ると、GoogleAppsScriptのの実行数タブで実行されていることが確認できます。

GASで受け取るイベントの中身を確認する

doPostの中に以下のコードを追加して、スプレッドシートにイベントのログを出力します。

  const event = json.event;

  // スプレッドシートID(ここにあなたのスプレッドシートのIDを設定)
  const spreadsheetId = 'XXXXXXXXXX';

  // スプレッドシートにアクセス
  const spreadsheet = SpreadsheetApp.openById(spreadsheetId);
  const sheet = spreadsheet.getActiveSheet();

  // 現在の日付と時刻
  const timestamp = new Date();

  // スプレッドシートに書き込むデータ(例: 日付、イベントの種類、イベントの内容)
  const data = [timestamp, event.type, JSON.stringify(event)];

  // スプレッドシートの最後にデータを追加
  sheet.appendRow(data);

スプレッドシートIDはスプレッドシートを新規作成して生成されたURLから確認できます。

ここでGASを再度デプロイします。デプロイする際は、「デプロイを管理」 > 「編集」 > 「新しいバージョン」からデプロイしてください。

そうすると、スプレッドシートでイベントの中身が取得できるので、それを確認しつつ、次のステップに進みます。

おうむ返しの処理を追加する

SlackAppの「OAuth & Permissions」で chat:write のスコープを追加し、再インストールします。

そして、無限ループを避けるために、自分のメッセージのみに反応するようにします。下記の event.user === "XXXXXXXXX" の部分に、先ほどのイベントログで取得した自分のユーザーIDを設定します。

function doPost(e) {
  // ...省略...
  sheet.appendRow(data);

  // Slackにメッセージをおうむ返しで送信
  if (event && event.type === "message" && event.user === "XXXXXXXXX") {
    sendSlackMessage(event.channel, event.text);
  }
}

function sendSlackMessage(channel, text) {
  const url = "https://slack.com/api/chat.postMessage";
  const token = 'xoxb-XXXXXXXX'; // Slackアクセストークン

  const payload = {
    "channel": channel,
    "text": text
  };

  const options = {
    "method" : "post",
    "contentType": "application/json",
    "headers": { "Authorization": "Bearer " + token },
    "muteHttpExceptions": true,
    "payload" : JSON.stringify(payload)
  };

  const response = UrlFetchApp.fetch(url, options);
}

これで、Slackにメッセージを送ると、おうむ返しで返信してくれるSlackBotが完成しました。

スプレッドシートを確認すると、ボットのイベントログには bot_id というものがあるので、これを使って無限ループを避ける形に修正します。そうすると他のユーザーのメッセージにも反応するようになります。

  // Slackにメッセージをおうむ返しで送信
  if (event && event.type === "message" && event.bot_id === undefined) {
    sendSlackMessage(event.channel, event.text);
  }

こんな感じでおうむ返しのSlackBotが完成しました。

次回はこの続きで、ChatGPTを使って返信するSlackBotを作っていきます。

後編はこちらからどうぞ。
GASを使ってChatGPTで返信するSlackBotの作り方(後編)

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